合同会社まるくすでは、定期的に法定研修を代表自らが講師としてリードしています。この11月にも「虐待防止と尊厳研修」の講義がありました。

職員
難しそうな内容も自分達の振り返りのできる内容で伝えてくれて、とてもわかりやすかったです
介護サービス事業者に毎年実施が義務付けられている虐待防止研修。多くの事業所では「またこの話か」と形骸化しているのではないかと感じます。
「虐待はダメ」
誰もがそう思っています。それなのに、世の中からなくならない虐待。
今回から4回にわたり、かえさるで実際に行われている「ケアの質を考える研修」の内容をもとに、介護現場のリアルな課題と向き合って発信したいと思います。
「虐待はダメ」では虐待は防げない

虐待がなくならないのは、なぜですか?
多くの職員がこの問いに言葉を詰まらせます。
理由は明白です。
「虐待はダメ」という 抽象的な禁止 では、日々の業務の中で何が虐待に当たるのか、具体的に判断して説明できないからです。
忙しい現場で、善意のつもりで行った行為が、実は虐待に該当していた…。そんなケースだって少なからず存在します。
では、日々の業務の中で何が虐待に当たるのか、まずはその内容を見ていきましょう。
6つの虐待
高齢者虐待防止法では、虐待を以下の6種類に分類しています。
1. 身体的虐待
暴力的行為により身体に傷やあざ、痛みを与える行為です。
- 叩く、つねる、蹴る
- 無理やり食事を口に入れる
- ベッドに縛り付ける
2. 心理的虐待
脅しや侮辱などで、精神的な苦痛を与える行為です。
- 怒鳴る、罵る
- 無視する、仲間はずれにする
- 子ども扱いする
3. 性的虐待
本人の同意なく性的な行為をする、又はさせることです
- 排泄・入浴介助時に必要以上に身体を触る
- わいせつな言葉をかける
- 裸の写真を撮る
4. 経済的虐待
本人の財産を不当に使用したり、処分したりする行為です
- 年金や預貯金を無断で使う
- 不必要な物を買わせる
- 財産を勝手に処分する
5. 介護・世話の放棄・放任
ネグレクトともいいます。必要な介護サービスの利用を妨げ、世話をしないことです。
- 入浴や着替えをさせず不潔なまま放置
- 水分・食事を十分に与えない
- 必要な医療を受けさせない
6. セルフネグレクト
本人が自分自身の世話を放棄することです。
- 極度に不衛生な環境で生活
- 必要な医療・介護を拒否
- ゴミ屋敷状態での生活
どの現場に起こり得る「グレーゾーン」
まるくすの研修では、グループワークで実際の事例を出し合います。

ちょっと待ってくださいって
言っちゃうことあるんです

それ以外の言葉がけはないか一緒に考えましょう
など、みんなでワイワイとワークを進めます。
今回上がった主な例は下記になります。
- 転倒リスクの高い利用者に「座っててください」と繰り返し声をかける
- 認知症で弄便がある方につなぎ服を着せる
- 夜間の徘徊防止のため睡眠導入剤を使用
- 忙しい時に「ちょっと待っててくださいね」と待たせてしまう
これらは一見、利用者の安全を守るための行為に見えるかも知れません。
本当にそれ以外の方法はなかったのかな?
利用者の尊厳は本当に守られているのかな?
この問いに向き合うことが、グレーゾーンを少なくして虐待防止の第一歩になります。
「知らなかった」では済まされない

介護現場で働く私たちは、プロフェッショナルです。
「悪気はなかった」
「忙しくて仕方なかった」
「知らなかった」
これらの言葉は、利用者様やそのご家族、地域の皆さんには通用しません。
だからこそ、虐待の種類を何度も復習して、当たり前レベルで理解しながら、日々の業務を振り返る習慣が必要なのです。
まとめ
虐待防止は「ダメなことを禁止する」のではなく「適切なケアとは何か」を考え続けることから始まります。


おかげさまで、かえさるの研修は「わかりやすい」と評価されることが多いです
その理由は、抽象論ではなく現場のリアルな事例をもとに自分事として振り返れる内容だからだと考えています。
次回は、虐待の中でも特に日常的に起こりやすい「身体拘束」について掘り下げていきたいと思います。
フィジカルロック、ドラッグロック、そしてスピーチロックなどについて現場レベルからみていきます。
追伸
合同会社まるくすの出張研修「かえさる」では、今回のような法定研修などを、あなたの事業所に合わせてカスタマイズして出張講演サービスを提供しています
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「忙しくて研修どころじゃない」
その気持ち、よくわかります。だからこそ、現場を知る私たちが、あなたの事業所に伺います。
一緒に、明日からできることを考えましょう。




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