かえさる講師の北川晃将です。
前回は「虐待はダメ」とわかっているのに、なぜ現場から虐待がなくならないのか——
今回はシリーズ2回目、現場で特に起こりやすいテーマ、身体拘束について記事にしたいと思います。シリーズ1回目に興味をお持ちの方は下記からどうぞ。
「身体拘束」ってベルトや柵だけ?
身体拘束というと、抑制帯やベッド柵のイメージが強いと思います。
もちろん、それら含まれます。
ただ、身体拘束はもう少し広く「行動を制限してしまう状態」として捉えます。
それが、次の3つの「ロック」です。
・フィジカルロック
・ドラッグロック
・スピーチロック
では、それぞれについて見ていきましょう。
3つのロック
1)フィジカルロック
フィジカルとは身体のことです。
つまり、対象者の身体を、拘束帯で固定する、柵などで行動を制限する——など、いわゆる「物理的な拘束」です。
例に挙げるとすれば
つなぎ服/両手ミトン/車いすの抑制帯などがそれにあたります。



2)ドラッグロック
ドラッグとは、お薬のことです。
睡眠導入剤や安定剤などの不適切な投与によって、結果的に行動を制限する状態です。
「夜間の睡眠導入剤」も対象になる場合があります。
3)スピーチロック
スピーチとは言葉がけのことです。
そして介護スタッフ自身が最も気づきにくいのがこのスピーチロックです。

そっちへ行ってはダメです!

危ないから座っててください
これらのような言葉によって行動を制限することがこれにあたります。
道具が要らないぶん、誰にでも、いつでも、どこでも起こりやすいと私は考えています。
なぜ拘束(ロック)は起きる?
ここで大事な話をします。
まず前提として、これを「誰かのせい」にしても現場は良くなりません。
そして、ロックの大部分は、悪意から始まるわけじゃありません。
では「なぜ身体拘束をするんだろう?」という疑問が浮かびますね。背景として、下記の3つが要因になっていると思われます。
危険察知に伴う焦り
人手不足
経営事情
こういう「構造」が存在するということをまずは確認します。
つまり、現場が悪いだけじゃないんです。
現場が追い込まれていることが、ロックを呼び込むんです。
だから私は「禁止ですよ!」より先に、現場にこの質問を投げます。
本当にそれ以外の方法はなかったのでしょうか?
利用者様の人間としての尊厳は守られているのでしょうか?
もしここまで読んでいただいて「うちも当てはまるかも…」と感じていただけたなら、それは何かに気づけたサインです。
ロックをゼロにするのは簡単ではありません。ただ、まずは一つだけでも始めてみませんか。
今日いちばん使ってしまった言葉を、職員同士で「別の言い方に置き換えるなら?」と話してみてください。

それだけでも、現場の空気は変わり始めます。
次回予告:言葉のもつ力
次回は「言葉のもつ力」について記事を書こうかと思います。実際の研修でも、身体拘束の次にこの章を置いています。
何気ない言葉が、時として「刃」になります。
これは、高齢者のみならず、幼児から成人まで人間社会に常に関係あるものだと思います。
私はこれを『言葉の暴力』として扱い、スピーチロックを具体的に1つずつ見直していきます。
追伸
かえさるでは、事業所の状況に合わせて「虐待防止・身体拘束廃止」を、現場で再現できる形に落とし込む研修を組み立てています。
「うちの現場だと、どこがロックになりやすい?」を確認しながら、自己認識やその改善案を一緒に見立てていきます。
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「忙しくて研修どころじゃない」
その気持ち、よくわかります。だからこそ、現場を知る私たちが、あなたの事業所に伺います。
一緒に、明日からできることを考えましょう。



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